むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Altitudes & Attitude / Get It Out

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Altitudes & Attitude / Get It Out


USのオルタナティブロックバンドによる初フルレングス。


MegadethのDavid EllefsonとAnthraxのFrank Belloにより結成されたバンドで、A Perfect CircleのJeff Friedlをドラムに迎えて制作された今作ですが、メンバーからスラッシュメタルを想像するとまず透かされます。
今作は、90年代USオルタナティブからの影響と、80年代アメリカンハードロックからの源流を吸い上げた作品になっています。
アルバムを抉じ開けるM-1“Get It Out”からしてささくれ立ったギターによる青白いメロディーラインが炸裂するグランジであり、激キャッチーなコーラスが爽やかなM-2“Late”もNirvana以降のエモーショナルで軽快なロックチューンと言え、この時点でMegadethとAnthlaxのファンは篩にかけられそうな。
重たく歪むギターが小気味いいドラムと共に疾走するM-4“Part Of Me”、高らかにギターが爽やかなリフを刻むエモロックM-6“Talk To Me”、叙情的なアルペジオからスリリングな演奏に雪崩れ込むインストM-7“Leviathan”、ワウを効かせたギターが郷愁を誘うゴリッとベースが唸るM-8“Cold”、哀愁のメロディーを軽やかに聴かせるギターロック然としたM-12“Booze & Cigarettes”と、メタルよりはパンクに近い曲が並びます。
プロダクションから明らかにメタル的な音を目指しているわけではないですが、作品の質は高いですし昨今には珍しいくらい真っ当なギターロックですので、避けるのは勿体ないです。
ボーナストラックのM-14“Here Again”だけ妙にメタリックなので、そこに出自を見出だせますね。
軽やかな作風に反して、歌詞は非常にパーソナルで重たいのもグランジ的ですね。
日本盤だと昔出したEPの曲もリマスタリングして追加収録されているのが嬉しいですね。


1. Get It Out
2. Late
3. Out Here
4. Part Of Me
5. Slip
6. Talk To Me ★
7. Leviathan
8. Cold
9. Another Day
10. All There Is
11. Over & Done
12. Booze & Cigarettes
13. Tell The World
14. Here Again
(2019/Universal Music
Time/50:58
※M-11~14日本盤ボーナストラック