むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Among Vultures / Among Vultures

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Among Vultures / Among Vultures


スイスのデスメタル/ハードコアバンドによる初フルレングス。


Attack Verticalと名乗っていたバンドですが、前身については知らず、初めて聴きました。
音楽性はデスメタル要素の濃いハードコアという感じで、想像しやすいのはThe Haunted辺り。
ブレイクダウンもしっかり盛り込む辺り、非常にモダンな目線を持ったバンドという印象です。
刻むリフからグルーヴィーなノリで突っ走るM-1“Coffin Of The Universe”から聴ける厳つい咆哮と言い、うっすらと叙情的なメロディーラインと言い、割と受け入れられやすいと思います。
メロデスにも通じる慟哭のギターメロディーが冷ややかに炸裂するM-2“Sink”中盤以降に飛び出すブレイクダウンも嫌味がなく、やりすぎなほどギターが哭くメロディアスながらも熱く爆走するM-3“Fake Holy News”、邪悪なリフでグルーヴを生み出す極悪ハードコアM-4“Chaos And Hope”の流れに歓喜
合唱しろと言わんばかりのコーラスで拳をぶち上げるM-5“Buried Alive”が今作のハイライトとも言えますが、悲しく寂しげなメロディーラインをギターが主導するM-7“Wings Of Despair”にはドラマ性がありますし、少しブラックメタル寄りの冷たいトレモロが疾走するM-9“Cold Wrath”、表題でもありバンド名でもあるM-11“Among Vultures”の劇的なメロディーと壮大に昇っていく様は、彼らが爆走を主軸にしているわけではないと窺い知れます。
ダークでグルーヴィーな音楽性でキャッチーなので、様々な層に受け入れられやすいため薦めやすい作品です。
掘り出し物ですね。


1. Coffin Of The Universe
2. Sink
3. Fake Holy News
4. Chaos And Hope ★
5. Buried Alive
6. Madness And Shame
7. Wings Of Despair
8. The Bird
9. Cold Wrath
10. No Freedom
11. Among Vultures
(2019/Tenacity)
Time/38:27