むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Sworn Enemy / Gamechanger

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Sworn Enemy / Gamechanger


USのメタリックハードコアバンドによる6作目フルレングス。


BiohazardやHatebreedに連なるモッシュを呼び込む極悪なグルーヴと、Slayerから影響を受けたスラッシュメタルの刻みを合わせ持つバンドです。
アルバム自体は寡作ですが何気に紆余曲折を経ながらもコンスタントに活動していますね。
今作は前作よりも初期に回帰しつつ、よりメロディーを強調した箇所も随所に顔を出しています。
また、Machine HeadのRobb Flynnをプロデューサーに迎えているのは今作の売りかも知れません。
それもあってか、前作にあった方向の定まらなさは解消され、よりメタリックで重たい変貌を遂げているのはインストであるM-1“Intro”のギターの厳つさが証明しています。
コンパクトなMachine Headの“The Blackening”のような印象も少し受けました。
ハンマーでぶん殴るような重低音が響くグルーヴィーなM-2“Prepare For Payback”で喝采するファンは多いかと思いますが、個人的にはメロデスに接近したかのようなM-4“Coming Undone”の叙情的なメロディーと極悪に刻むリフのメリハリが非常に美味しいですね。
執拗なストップゴーを繰り返し流麗なソロに雪崩れ込むM-3“Seeds Of Hate”、ドライヴするベースのノリが心地好い重厚なロケンローM-6“DOA”、更に加速してNYHCのキレと鋼鉄のグルーヴのアンサンブルが渋いメタリックハードコアM-8“
The Fall Of Modern Man”、もったいぶったリフをこねくり回して重たい音像で幕を下ろすM-11“Integrity Defines Strength”と前作よりも幅は狭いですが洗練されている印象を受けます。
少し邪悪なリフと合唱がフロアで混ざり合いそうなM-10“The Consequence”のような曲には否応なしにテンション上がりますね。
発展よりも定着を狙ったかのような安定感のある完成度はベテランならでは。
プロデューサーとの相性も良かったのかな、と。
次はもう少し早く新作が聴きたいものですね。それにしてもジャケットが最初ヴェノムに見えた人は私だけではないはず。


1. Intro
2. Prepare For Payback
3. Seeds Of Hate
4. Coming Undone ★
5. Justify
6. DOA
7. Fragments Of A Broken Life
8. The Fall Of Modern Man
9. Selling A Dream
10. The Consequence
11. Integrity Defines Strength
(2019/M-Theory)
Time/36:54