むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Afterlife / Breaking Point

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Afterlife / Breaking Point


USのラウドロック/ニューメタル/ハードコアバンドによる初フルレングス。


帯にはSlipknot×Linkin Parkとありましたが、確かに通じるものがあります。
つまり、重たく激しい演奏に加えてラップ、怒号染みたスクリーム、クリーンを行き交うVoの組み合わせ。
昨今のトレンドでもあるニューメタルを取り入れたハードコアという要素そのものであり、最近のバンドではCane Hillに共通項は見出だしやすいです。
ベースには明らかにKornがあり、個人的にはこの手のバンドで最も好きなNothingfaceの病んだ残り香も感じて嬉しいところ。
ガリガリと脳髄を引っ掻くようなリフと殺気を放ちまくる怒号が飛び交うM-1“Sacrifice”から物憂げなメロディーに乗せて歌い上げるコーラスも美しい破滅的なM-10“Broken Home”までしっかり作り込み無駄を徹底的に省いているので非常にコンパクトな作品と言えます。
その中で主張する重量級のグルーヴに乗せて恐らく性的虐待を歌ったM-2“Throat”、ターンテーブルまで飛び出すニューメタルとヒップホップを融合させた2019年型ラウドM-4“Giving Back The Pain”、不穏なギターが這い回りラップ→スクリーム→クリーンの流れが滑らかに行き交うキャッチーなM-6“Holding On”といった曲がしっかり機能していて、一辺倒というわけではありません。
立体的なビートに乗せたラップにいきなり切り込む重いギターからスクリームをぶっ放すM-5“Breaking Point”は昨今のヒップホップやトラップがラウドロックに寄った形に仕上げていてありそうでなかなかなかったな、と。
オリジナリティと言うにはまだ達していませんが完成度はかなり高いですし、ざらついて鋭い音志向は意外に今あまりいないので貴重な作品だと思います。
スラッとしたブロンドの端麗なフロントマンTyler Levensonの持つカリスマ性の萌芽に青田買いしても損はないと思います。


1. Sacrifice
2. Throat
3. P.S.A.
4. Giving Back The Pain
5. Breaking Point
6. Holding On
7. Grey Sky
8. Karma
9. New Rage
10. Broken Home ★
(2019/Hopeless)
Time/31:44