むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

「傑作!」を連発するレビューブログを目指しています。コメントは記事ページから書込・閲覧頂けます。

Burn Down Eden / Liberticidal

f:id:bluecelosia:20181219221233j:plain
Burn Down Eden / Liberticidal


ドイツのメロディックデスメタルバンドによる2作目フルレングス。


厳ついブラストビート主体のブルータルなリズム隊に叙情的な単音リフが飛び出すギターを合わせるスタイルです。
近しいバンドとしては、Nightrage、Dimension Zero、The Black Dahlia Murder辺りが浮かぶと思います。
真新しさがあるわけではないですが、M-1“Dystopic Endzeit Panorama”からも窺えるようにテンションの振り切れ具合が良く、曲の展開も結構練られているのでほぼ爆走で占められていてもダレを感じさせません。
ベースからはじまるスラッシュビートからブラストまで自在に行き交うドラムに叙情的なギターが斬り込むM-2“Eternal Youth”、雨の中墓を掘るようなSEに邪悪ながらも華麗なギターフレーズが雪崩れ込む血管が切れそうなVoが映えるM-3“Grotesque Satisfaction”、スラッシーなドラムに流れるようなリフ→ソロが美しさすら感じるM-4“Of Fortress,Deceit & Dissolution”にメロデス好きはガッツポーズしましょう。
何気にいいのがVoで、高めのスクリーム染みたグロウル主体で、声質が非常にカッコいいです。
M-5“Melodies of Memento”で聴ける喚き吐き捨てる感じ、ざらざらしていて素晴らしい。流麗なギターともいい具合に対比されていると思います。
前のめりなドラムにやたら煽るベースラインに否応なしに体が揺れるM-6“Succubus”、オルガンの厳かな調べが切迫感のあるリフに蹂躙される華やかなメロデスラッシュM-7“A Tale Of Deviant Hypocrisies”のフルスロットルぶりに顔が綻ぶであろう速い曲目白押しの潔さ。
腹に溜まるドラムにやたらキャッチーなリフでハイテンションに押しまくるM-8“Daemmerung”、終盤にして天丼方式で血管ぶちギレグロウルと凄まじいブラストをかましてくる中のやりすぎなくらい叙情的なギターが美しいM-9“Misled Psychogenesis”が艶やかなアコギから壮大なリフとブラストで聴かせる重厚なM-10“The Carnage Cursed By Megalomaniac Gods”へと繋がる構成も素晴らしい。
とにかく清々しいまでにアグレッシヴなメロデスであり、同時にしっかりキャッチーに聴かせる要素も残してあるのが素晴らしいです。
慟哭の炎でまさしく楽園を焼き尽くすかのような情熱的な傑作です。
ソリッドな音作りも大変自分好みでした。


1. Dystopic Endzeit Panorama
2. Eternal Youth
3. Grotesque Satisfaction
4. Of Fortress,Deceit & Dissolution
5. Melodies Of Memento
6. Succubus
7. A Tale Of Deviant Hypocrisies
8. Daemmerung
9. Misled Psychogenesis ★
10. The Carnage Cursed By Megalomaniac Gods
(2018/Kernkraftritter Records)
Time/35:12