むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Crystal Lake / Helix

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Crystal Lake / Helix


日本のメタルコアバンドによる5作目フルレングス。


実は聴くの初めてだったりします。
Djent混じりの最近流行のメタルコアに、無機質な電子処理を施した音楽性という、割とシンプルなスタイルなのに、恐ろしく情報量が多く、それでいて完全に振り切っています。
実質オープナーに据えられたM-2“Aeon”の地獄のような重低音の、メロディーすら廃しているかのような硬質さにまずはぶっ飛ばされました。
そこから哀しみを掬い上げるかのような仄かに色づくメロディーに王道メタルコアが透けるM-3“Agony”、花開くかのように開放的なコーラスやけたたましく畳み掛けるラップも織り込まれた日本のバンドらしい雑食性が発露したM-4“+81”の、どんどん華やかかつ苛烈さを増すアルバム構成も素晴らしい。
哀愁あるメロディアスなリフ捌きと福音的なコーラスが神秘的なメタルコアM-5“Lost In Forever”や原始的なコーラスのSEであるM-7“Ritual”から雪崩れ込むSoulflyを彷彿とさせる民族的なグルーヴとデスラッシュ寄りの刻みと突進による破壊力が凄まじいM-8“Hail To The Fire”の驚きは嬉しいですね。
Linkin Parkを高速回転したような大合唱を呼び込みそうなM-9“Devilcry”やふくよかな音のバランスによるDjentに華やかなメロディーを乗せた名曲の風格漂うM-11“Apollo”の美しさはただただ感嘆。
終幕を飾る透徹しきったメロディーが大爆発するような疾走感も爽快なM-12“Sanctuary”も一刺しという感じで大変素晴らしい余韻を与えてくれます。
12曲40分前後とコンパクトながらも、濃密で壮大な聴き心地を与えてくれる一枚です。


1. Helix
2. Aeon
3. Agony
4. +81
5. Lost In Forever
6. Outgrow
7. Ritual
8. Hail To The Fire ★
9. Devilcry
10. Just Confusing
11. Apollo
12. Sanctuary
(2018/CUBE)
Time/40:26