むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Taste Of Greed / Irreversible

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Taste Of Greed / Irreversible


ドイツのメロディックデスメタル/デスラッシュバンドによる初フルレングス。


基本に忠実と思わせながらも絶妙にモダンな要素をぶっ込むスタイルのバンドです。
かなり雑多なジャンルが入っており、基盤にあるのは勿論メロデスとスラッシュであることは明白なわけですが、叙情派NSHCやポストハードコア由来のメロディー感もあったり、ニューメタルに接近したグルーヴ感も持っています。
特に個性的だなと感じたのはM-2“Green Hills”で、ポストメタルを彷彿とさせる柔らかで浮遊感のあるイントロを叩き潰すようにHCノリのあるVoと重く刻むスラッシーなリフを合わせるという、ありそうでなかなかなかったタイプの曲。
オープニングを飾るM-1“Gnosis”のかなりごった煮な展開が成功しているとは思わなかっただけに、M-2以降の流れになかなか意表を突かれました。
アグレッションを重視したグルーヴと鈍く叩き潰すようなリフがかっこいいM-3“Deadlock”、重量級のグルーヴから一気に開放されたデスラッシュに雪崩れ込むM-4“Irreversible”、ポスト感のある音のタッチがM-2と同種の印象を与えるM-8“Deep Sea”と言い、やりたいことが明確です。
輪郭がくっきりした威圧的なグルーヴメタル寄りのM-5“Treasures In Humanity”やメロディアスなギターが耳を引くキャッチーなコーラスも楽しいデスラッシュM-7“Pathetic”ではモダンな要素もかなり濃いので、好き嫌いは分かれるかも知れません。
まだまだ荒削りですが、今後の活動次第では大化けする可能性もあると思います。
できれば、独特のメロディー感は残したまま進化して欲しいですね。


1. Gnosis
2. Green Hills ★
3. Deadlock
4. Irreversible
5. Treasures In Humanity
6. Too Little Words
7. Pathetic
8. Deep Sea
9. Astray
(2018/自主制作)
Time/44:03