むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Bleeding Through / Love Will Kill All

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Bleeding Through / Love Will Kill All


USのメタルコアバンドによる8作目フルレングス。


2014年に活動休止し、2018年に復活しての新作です。
復活してからアルバム発表までのスパンが短いので曲作りは止まっていなかったのでしょうね。
その今作ですが、いつものBleeding Throughですが、いつもよりポップでパンクな側面が強調されているので賛否分かれるかも。
メタルコアに華美なオーケストラアレンジを施しシンフォニックブラックメタルコアとも言われる音像そのままなので、ファンね方々は安心できるでしょう。
ただ、アグレッションは少し落ち着いていて、クリーンを使用したメロディックな部分はいつも以上に印象的です。
そして今作は四つ打ちを使用したダンサブルなニューメタルのようなM-7“No Friends”や、薄暗いシンセワークから執拗なブレイクダウンを繰り返し怒号に雪崩れるM-3“End Us”といった曲がいいアクセントになっており、ロックアルバムとしても機能しています。
勿論、開幕M-2“Fade Into The Ash”やM-4“Cold World”、M-8“Set Me Free”のシンフォニックブラックメタルを下敷きにした暴虐的なメタルコアはしっかりあります。
作中瞬間風速を誇るブルータルなM-6“Buried”もかっこいいのですが、名作であり個人的にも最も好きな“Declaration”ほどの強烈なインパクトがないのは少し寂しいです。
シンフォニックブラック要素も一昔前の古めかしい感触ですが、逆に「これを今やるか」といった印象で感慨深いですね。
かつてのファンは聴いても損はしないです。
新たなファンを獲得するには少し厳しいとも思いますが。
タイトルは凄くいいですね、「愛は全てを殺すだろう」とはまた渋い。


1. Darkness,A Feeling I Know
2. Fade Into The Ash
3. End Us
4. Cold World
5. Dead Eyes
6. Buried ★
7. No Friends
8. Set Me Free
9. No One From Nowhere
10. Remains
11. Slave
12. Life
(2018/SharpTone)
Time/36:59