むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Extinction AD / Decimation Treaty

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Extinction AD / Decimation Treaty


USのハードコア/スラッシュメタルバンドによる2作目フルレングス。


非常にソリッドなスラッシュメタルですが、NYHC、もっと言えばHatebreedやBiohazard辺りの影響を余すことなく注ぎ込んだスタイルです。
前作はSlayerやDestruction、ベイエリアスラッシュから影響されたスラッシュメタル然とした要素が多くを占めていましたが、今作は逆。
メロディーなんぞ知るか!とばかりに刻みまくっていた前作ほどでないにしろ、今作もなかなかかっ飛ばしています。
それでもハーコー的なコーラスパートやたまに差し込まれる流麗なギターソロが、聴きやすさを増したかな。
吐き捨てまくっていたVoも少しメロディーをなぞるようになっていて、「あれ、ちょっとうまくなったな」と思いましたね。
何しろこのバンドは、M-1“Legions Of The Grave”のようなアグレッションを最後まで緩ませないので、潔いバンドなんですよ。
それでも、ビートダウンを効果的に挿入したハードコアスラッシュM-3“In The Wake Of Uprising”、合唱を呼び込むコーラスがバキバキと突貫するグルーヴィーなハードコアスラッシュM-6“The Onslaught”、陽気なロックンロールのフィーリングを伴って疾走するクロスオーバースラッシュM-9“Rats In The Attic”といった前作で希薄だったハードコアスラッシュが生き生きとしています。
とは言え、明るいわけではなく、終始ダークなトーンで押し切るインストM-10“Decimation Treaty”や、キャッチーリフでザクザクと切り刻むM-5“Burnt Indifference”といった曲ではしっかりメタリックです。
前作と比較して、プロダクションもよりハードコアの生々しい録音に変わりましたが、まだまだスラッシャーの方々にもオススメです。
個人的には、やはり前作の方が好みですが、今作も爽快感ありますね。
ジャケットはドラクエのキメラみたいでなかなかかっこいいですね。


1. Legions Of The Grave
2. Secret Worlds
3. In The Wake Of Uprising ★
4. Pray To Die
5. Burnt Indifference
6. The Onslaught
7. Art Of Revenge
8. De-Evolution Theory
9. Rats In The Attic
10. Decimation Treaty
(2018/Good Fight Music)
Time/36:37