Desdemonia / Anguish
結成は98年で、それなりに歴史のあるバンドですが、初めて聴きます。
巨漢のフロントマンTom Dosserを中心とするバンドで、その音楽性はほんのりモダンでグルーヴィーなデスメタルに、ブラックメタルやメロデス由来の冷たく邪悪なメロディーを合わせたもの。
いたってシンプルにリフを突き刺し、演奏のアンサンブルで聴き手を揺らします。
基本的にブルータルでヘヴィですが、ここぞとばかりに叙情的なメロディーをまぶしてくるので、At The GatesやIn Flamesなどのファンにもアピールできるポイントは多いはず。
巨漢のVoから放たれるグロウルは威圧的で、結構かっこいいですよ。
オープナーであるM-1“Reaper Of Souls”こそ冷酷かつ邪悪なブラックメタル臭さが全面に出ていますが、グルーヴを重視した演奏に冷たくドライヴするメロディーを配合したM-2“Anguish”、威圧的に迫る無機質なデスメタルM-3“Cross The Line”、重厚で冷酷なギターリフが縦横無尽に跳ね回るキャッチーなデスメタルM-4“Endless Fight”と、デスメタル要素がかなり強めです。
少し大仰な哀愁メロディーを大幅に導入したM-5“Revenge”や邪悪なリフとけたたましいブラストで牽引するブルータルなM-6“Abysmal”、メロディアスなリフで冷たく凍てついた世界を疾走するデスラッシュM-8“Out Of Sight”と後半にメロディーがかなり充実しています。
抜けの良く、筋肉質なプロダクションはFrederik Nordstromによる録音で、バンドとの相性もかなりマッチしています。
特筆すべき個性はないですが、全てが高水準でまとまった、単純にかっこいいデスメタルなので、気に入る人は多いと思いますよ。
甘過ぎず冷たく叙情的なメロディーが直線的に響く、好盤ですね。
1. Reaper Of Souls
2. Anguish
3. Cross The Line
4. Endless Fight
5. Revenge ★
6. Abysmal
7. Deceiver
8. Out Of Sight
9. Weakness
(2018/Mighty Music)
Time/47:08