Cypecore / The Alliance
ドイツのインダストリアルメタル/メロディックデスメタルバンドによる4作目フルレングス。
聴くのは2nd以来となりますが、変わらず品質の高い作品です。
ラウパでも昨年来日し、評判だったBeyond The BlackのオリジナルメンバーでもあったNils Lesser(G)とTobias Derer(Dr)の元々やっていたバンドです。
二人ともBTBを脱退し、こちらに専念すると表明してからの初作ですね。
インダストリアルメタルと言っても電子エフェクトを施してSF映画的に演出したりする意味合いが強く、基盤はDisarmonia MundiやSoilworkに近いタイプのメロデスです。
Voもハーシュな高めのスクリーム染みたグロウルとクリーンをシームレスに使い分けるなかなかの芸達者ぷりを聴かせてくれます。
そこにメタルコアのブレイクダウンやグルーヴメタルみたいなハーモニーを入れるので、非常にモダンです。
そこが好き嫌いの分かれるところでしょう。
個人的には大いにあり。電子音を使っているからって浮わついた感じは一切ないです。ピコピコしているわけでもないですので、そういうのが苦手な方でも十分聴けるかと思います。
高速で爆発するようなリフに乗せてコール&レスポンスが楽しそうなグルーヴメロデスM-2“The Alliance”、福音的な美メロが劇的な哀愁と絡みつくドラマティックなM-3“Dissatisfactory”と掴みはバッチリ。
泣かせにくる泣きのギターとザクザクした刻みが心地好いメロデスラッシュM-5“Aeons”、シンプルにドライヴするベースラインとブラスト混じりのドラムの苛烈な演奏に合唱を呼び起こすようなVoが聴けるM-10“Value Of Death”といった攻撃的な楽曲もしっかり配置しています。
執拗に哀メロとクリーンをおかずにメロデスパートを挟むM-7“Remembrance”は7分と長いですが反復と劇的の駆け引きが絶妙ですね。
Beyond The Blackでの活動の影響か、そこかしこに正統派メタルのような質感を湛えているのも以前にはなかった要素で素晴らしいですね。
メンバーの、B級SF映画から出てきたような奇抜な見た目に説得力を持たせるような作品です。
1. Intro
2. The Alliance
3. Dissatisfactory
4. Dreamsmasher
5. Aeons
6. Reject The Stream
7. Remembrance ★
8. The Voice Of Conviction
9. Leviathan
10. Values Of Death
11. The Gift Of Failure
12. Outro
（2018/Cargo）
Time/57:09
