むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Windswept / The Great Cold Steppe

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Windswept / The Great Cold Steppe


ウクライナブラックメタルバンドによる初フルレングス。


このバンドは、Drudkhのメンバーによるサイドプロジェクトです。
悲哀と絶望に蝕まれたエモーショナルなブラックメタルをやる母体や、呪詛を撒き散らすようなBlood Of Kingu(解散済み)とも違い、Windsweptでは比較的コンパクトかつシンプルな、昔ながらのメロディックブラックメタルを演奏するバンドのようです。
歌詞だけを取り上げれば、カスカディアン勢に感化されたような「大自然すごい、つよい、敵わない」みたいな自然へ畏怖を捧げた世界観。
それに伴って、猛烈な吹雪を巻き起こすようなトレモロの冷たさが全編を支配しているので、ある意味Drudkhよりもアピールポイントは多いと思います。
反復するブラストの淡々としたドラムに吹雪くようなメロディーが悶絶級のM-1“Black Horizon Is The Gates Of A Blizzard”や、神経を磨耗するようなリフが心をかきむしるM-2“Shrouded In Pale Shining,So Sleeps Infinite Ancient Steppe”と、初っぱなから闇夜を駆け抜けるブラックの王道が吹き荒れます。
DarkthroneやBurzumに近いM-1,2を抜けるとTaake的わかりやすいリフが聴けるM-3“The Stars Are Cold And Indifferent,Sow Their Gleaming Ashes”や、チープなブラストから厚みを増す凶暴なM-5“Blinding And Bottomless Abyss Is Howling”と、多くのブラックメタル愛好者の琴線を触れまくる曲が占めています。
コンパクトと言えど数曲は大作志向ではあるので、ある程度ブラックメタルを聴いた人向けの作品ですね。
スタイルとして完成度は高いですが、取り立てて個性的というわけではありません。
ですが、最近この手のブラックメタルをやるバンドは少ないので、逆説的に個性があると表現してもいいかもしれません。
個人的には、Drudkhの近作よりもストレートなので、これからの季節重宝する一枚ですね。


1. Black Horizon Is The Gates Of Blizzard
2. Shrouded In Pale Shining,So Sleeps Infinite Ancient Steppe
3. The Stars Are Cold And Indifferent,Sow Their Gleaming Ashes ★
4. The Great Shepherd Rides His Storms
5. Blinding And Bottomless Abyss Is Howling
6. A Spiteful Wind Buries All The Lonely Whispers
(2017/Season of Mist)
Time/33:48