むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Lost Dreams / Exhale

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Lost Dreams / Exhale


オーストリアメロディックデスメタルバンドによる6作目フルレングス。


初めて聴いたバンドですが、バンドの歴史自体は結構古く、結成自体は1992年と黎明期には既に存在はしていたようです。
音楽性自体は、まさしくIn FlamesDark Tranquillityを彷彿とさせるもので、メロディアスなツインリードによる鮮やかなメロディーを聴かせるいたってシンプルなもの。
そのため、この手の保守的な音楽性を主軸としたバンドでは、いかに楽曲の良さやVoの存在感が物を言うのですが、このバンドはその辺が物凄く丁寧。
まずVoは、Dark TranquillityのMikael Stanneを彷彿とさせる中~高音域のグロウルが主体で、極めて水準が高く、かと思えば極低音域のドスの効いたグロウルも操る器用さを持っています。
自身のしゃがれたようなクリーンも味わい深く、ゲストのハイトーンとの混声によるヴァースが印象的なM-3“Crashing Beyond The Horizon”が耳を引きます。
リフ自体は取り立てて独創性に富んでいるわけではないか、緩急のつけ方がやけにうまく、ザクザクした重厚なリフから一気にメロディックなフレージングに展開していく様はベテランならではの凄味を感じます。
キャッチーなリフを丁寧に紡いで王道のメロデスに仕上げたM-1“Ego”や、叙情的なメロディーで悲哀感を前面に押し出したM-8“Weight Of The World”、単音リフによる冷たいメロディーを邪悪に疾走させるM-9“Silence”、ブラスト混じりに勇壮で荘厳な迫力をツインギターで演出するM-10“Deluded”をといった曲でもブレないメロデスの良さを聴かせてくれます。
難点はあるにはあって、曲数をもう少し絞った方がいいのかな、と。
後半の方がメロディーが充実しており、前半が少し単調に聴こえてしまうのが少し残念。普通逆なんですけどね。
それを差し引いても、質自体は高いのでメロデス好きなら聴いて損じゃないです。


1. Ego
2. Lethargy
3. Crashing Beyond The Horizon
4. Kyrie Helleison
5. Finding X
6. Oscillating
7. Bitter Pills
8. Weight Of The World
9. Silence
10. Deluded ★
11. Nocturnal Delirium
12. It's Not A Game It's An Onslaught
13. Purple Clouds
14. Tranquillize
(2017/Massacre)
Time/62:40