むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Blackevil / The Ceremonial Fire

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Blackevil / The Ceremonial Fire


ドイツのブラック/スラッシュメタルバンドによる初フルレングス。


明らかにSarcophagoやDesaster、Sodom辺りのブラックメタルあるいはスラッシュメタルに多大な影響を受けたスタイルで、そこにKing Diamond的な味付けを施した、といえばわかりやすいです。
個人的にはEvil Invadersに類似したスタイルだなと思いました。
NWOBHMバンドの持つキナ臭い世界観も正しく継承していて、つまりカルト的ないかがわしさを存分に放射しながらなかなかの速度で突っ走ります。
ブラックスラッシュとは銘打っていますが、スラッシュメタルの刻みよりもトレモロによるダークで儀式的なメロディーの方が目立っています。
King Diamond的な味付けというのは、まさしくVoのことで、気の触れた狂人のようなパフォーマンスを聴かせてくれます。
元AnnihilatorのRandy Rampageのようでもあります。
軽やかなリードの裏でリズムがエグい刻みを聴かせるM-2“Between Fire And Fire”は彼らを象徴する曲になるでしょうし、Bathory的雰囲気を持たせる重厚で狂気的なVoが病んだM-5“Seven Bridges,Seven Gates”もアルバムのハイライトになりうるドラマ性を感じさせ、それは最終曲でもあるM-9“Under The Black Sail Of Burning”の哀愁に強烈に発露していますね。
ただ何と言っても爆走するM-7“Black Magick Riders”は絶対的なアンセムとして機能するでしょう。
彼らの背景が透けて見えるので個性的なスタイルとは言えませんしプロダクションも良くないですが、楽曲はまあまあいいのでどんどん磨かれていってほしいですね。
短命に終わりそうな気配も濃厚ですが。


1. Eschaton
2. Between Fire And Fire
3. Heavy Forces Marching On
4. Bethlehemian Blasphemies
5. Seven Bridges,Seven Gates
6. The Ancient Sword
7. Black Magick Riders ★
8. Ritual Coven Fire
9. Under The Black Sail Of Burning
(2017/F.D.A.)
Time/43:31