むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Trivium / The Sin And The Sentence

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Trivium / The Sin And The Sentence


USのヘヴィメタルバンドによる作目フルレングス。



戻すのか究めるのか。
前作で80年代ハードロックのような、メロディーに主体を置いた作品を聞かせた彼らの新作で、どうなるかと思っていたファンも多かったと思います。
実際ファンでも賛否分かれる作品ではありましたが、私は地味によく聴いている作品でもあります。
そして今作ですが、アグレッションを戻した上で前作のメロディー感を増強した作品に仕上がっていると思います。
そのため、“Ascendancy”~“Shogun”くらいのメロディー感が好きな人には物足りなくなる可能性は大いにありますが、そもそも今作のコンセプトが“Triviumらしい作品”なんですよね。
ファンにとってのTriviumがどの辺りかによって好悪分かれる作品でもあります。
新加入のAlex Bentのドラムですが、元々常軌を逸したブラストが持ち味なのでアグレッション面では文句なしの激烈なドラムを披露していますが、加えてより歌心のあるパターンも叩くようになっており、バンドの新しい屋台骨として支えています。
さらに今作、初期のメタルコアっぽさはほぼ消え、デスメタル寄りの重厚さ、スラッシュメタル由来のリフの切れ味、ブラックメタルから来るメロディーの仄かな冷たさがあります。
それは迫り来るようなオープナーM-1“The Sin And The Sentence”や激烈な暴虐を振り撒くM-5“Betrayer”、グルーヴを重視した重戦車のようなM-6“The Wretchedness Inside”辺りで顕著。
ロディアスな部分もしっかり増強されていて陰鬱なメロウさとアグレッションが交錯するM-3“Other Words”や軽快でリズミカルなHRナンバーM-7“Endless Night”、枯れたメロディーが徐々に慟哭をまとわりつかせるヘヴィなM-9“Beauty In The Sorrow”で聴けます。
とにかく曲が練られていることがわかるので、そこに余裕のあるMatthew Kiichi HeafyのVoが乗ることで安定感を増しています。
現在のTriviumTriviumらしい作品を作ったらこうなる、というのがよくわかるので単純な懐古や焼き直しになっていないのが素晴らしい作品ですね。


1. The Sin And The Sentence
2. Beyond Oblivion
3. Other Words
4. The Heart From Your Hate
5. Betrayer
6. The Wretchedness Inside
7. Endless Night
8. Sever The Hand
9. Beauty In The Sorrow ★
10. The Revanchist
11. Thrown Into The Fire
12. Pillers Of Serpents'17
(2017/Roadrunner)
Time/62:49
M-12日本盤ボーナストラック