むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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The Haunted / Strength In Numbers

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The Haunted / Strength In Numbers


スウェーデンスラッシュメタルバンドによる9作目フルレングス。


VoにMarcoが返り咲いてからの2作目です。
前作がメンバー大幅変更もあってか勢いあるスラッシュアルバムで、各所で話題になりました。
それを受けての今作ですが、前作とは全く異なります。
それもそのはずで、今作は大半の作曲にPatrik JensenやJonas Bjorlerでなく新加入のOra Englundを起用しています。
OraはSix Feet Underといったデスメタルバンドやスラッシュメタルバンドにいた経歴があるので、そういった曲が多いのかと思いきや、かなりメロディアスで正統派メタル的な曲が多かった、という。
そうなると、問題作とされる“Unseen”と比較されるかと思います。
あちらがよりPeterの歌を全面にした音作りだったのに対し、今作でのMarcoの咆哮はあくまで演奏とがっぷり噛んでいます。
そのため、溜めの効いたテンポを落としたM-7“This Is The End”のような曲でも緊張感が削がれないんですね。
双方ともメロディーを主眼に置いているのですが、毛色が全く違うので異なるVoでここまで重きが変わるというのも面白い。
勿論、ハードコアな勢いを持った現行The HauntedらしいM-2“Bruto Force”やM-6“Tighten The Noose”といったスラッシュナンバーは健在。
こういった曲では名手Adrian Erlandssonの鬼のようなドラムがこれでもかと暴れ狂ってくれます。
At The Gatesの香りも漂う北欧メロデス的な叙情メロディーが美しいM-8“The Fall”は素晴らしい出来です。これはThe Hauntedの新境地ではないでしょうか。
アルバムとしての流れを練りに練った配置の作品ではあるので「力でねじ伏せろ」という諸氏には確かに合わないです。
ザクザクしたスラッシュらしいリフも、曲によっては排除されていたりしますしね。
個人的には、Marcoの声でこういうメロディアスな作品も聴いてみたかったのでなかなか気に入っています。


1. Fill The Darkness With Black
2. Brute Force
3. Spark
4. Preachers Of death
5. Strength In Numbers
6. Tighten The Noose
7. This Is The End
8. The Fall ★
9. Means To An End
10. Monuments
11. Illusions
12. Sinister
13. Shackles
(2017/Century Media)
Time/50:00
M-11,12,13日本盤ボーナストラック