kafuka / Laws Of Nature
日本のトラックメイカー/作曲家によるEP。
帯にはTeebs、Bibio、Four Tetを引き合いにされていましたが、私はTelefone Tel Avivを思い出しました。
確かに前述の人たちのビート感は根底にあるのだと思いますが、曲のエディットやノイズの被せ方はTTAっぽいんですね。
サウンド自体の造形の精緻さもなかなかに偏執的なものを感じます。
kafuka自体は初めて体験しましたが、非常にビートを大事にしてるな、と。
EPタイトルが直訳すると“自然の掟”なわけですが、風、川、山、海といった自然を彷彿させる多種多様なパターンを構築しています。
それをもり立てるのは、ギターや自然音のサンプリングを緻密に組み上げたエフェクトと透き通った独特のノスタルジーを放射するメロディー。
これらがビートと合わさると、不思議と大自然の直中にいるような錯覚を引き起こします。
ジャズトロニカとも言われるだけあって、ジャジーヒップホップとも密接に繋がっているので物凄く心地好いですね。
オープナーであるM-1“Mustang”のグリッチノイズがばらけるような崩したビートからしてクールで、メロディアスなウワモノに作品の期待感が俄然高まります。
乾いたノイズに導かれて福音の空気を醸し出す神聖なメロディーも美しいM-5“Variance”はハイライト。
この曲で爪弾かれるギターの音色がとても綺麗です。
EPという位置付けではありますが、フルレングスと同じように、リスニングに適したバランスで曲が配置されているのも嬉しいですね。
初夏に発売された作品ではあるものの、これから訪れる寒い冬にも存外合うと思いますよ。
1. Mustang
2. Fine Rain
3. Psychedelia
4. Saunter
5. Variance ★
6. Resolve
7. Forget Me Not
(2017/Project Mooncircle)
Time/35:55
※デジパック、ブックレットなし。