The Royal / Seven
オランダのメタルコアバンドによる2作目フルレングス。
真っ向からぶつかるメロディックなメタルコア。
王道の、昨今の風潮とは違うDjent要素を入れずに直走るメタルコアです。
かなりメロディーを重視していて、メロデスからの影響も非常に濃い。
August Burns RedやParkway Drive等に通じる仄かに青い叙情を丁寧に織り上げていきます。
流麗なリードギターによるメロディアスなフレーズとリズムギターによる根を張るバッキングの対比はなかなか堂に入ったもの。
暴虐的なパートから一気にキャッチーなヴァースに雪崩れ込む様は単純に気持ち良い。
そして嬉しいのは、クリーンは一切なし。
グロウルとスクリームによる畳みかけで、叙情的なメロディー主体でも甘さを全く感じさせません。
ヴァースまで丁寧にパートを重ねていき合唱を呼び込むM-2“Feeding Wolves”でも顕著で、とにかくギターによるハーモニーを大事にしているようで、M-3“Wildmind”で聴けるグルーヴを重視したリフの重ね方など、とにかく心地良い音の構築が楽しめます。
前半5曲がとにかく強力なメタルコアナンバーなわけですが、急転直下なヘヴィネスをメランコリックなメロディーに絡みつかせながら疾走するM-8“Life Breaker”や胸を締め付けるようなクリーントーンのギターが美しいメロデスにも接近したM-10“Draining Veins”といった後半も隙を見せない作り。
最大限に彼らの持ち味を封じ込めた、疾走から作中最も凶悪に落とされるブレイクダウンの上を美麗なギターソロが舞うM-11“Viridian”の詩的な余韻が素晴らしい〆方です。
どうしてもアメリカや主要な西欧国のバンドでないせいかプロモーションが弱いため不遇に映る、なかなかの力作です。
硬派なメロディックメタルコアやメロデスがお好きな方は是非にどうぞ。
1. Thunder
2. Feeding Wolves
3. Wildmind
4. Creeds And The Vultures
5. Counterculture
6. Interlude
7. Seven
8. Life Breaker
9. Thalassa
10. Draining Veins
11. Viridian ★
(2017/Long Branch)
Time/49:58
※デジパック、12Pブックレット付。