むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

精神衛生にやさしい「傑作!」を連発するレビューブログを目指しています。

Death From Above / Outrage! Is Now

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Death From Above / Outrage! Is Now


カナダのオルタナティヴ/ディスコパンク/ハードコアバンドによる3作目フルレングス。



前作で復活して、まさか新作が聴けるとは思いませんでした。
気付いたら1979年も外れてしまって、心機一転の新作のようです。
歪ませたベースとダンサブルを軸に激情と哀愁のハードコアを聴かせる路線自体は健在。
ですが、今作は明確に前作と方向性が違います。
前作はキャッチーでストレートなディスコパンクが聴けましたが、今作は主軸がよりインダストリアルな方向に移行していてかなり重ためでダークです。
要は、“With Teeth”期のNINみたいな音作り。
そして電子的な要素はMSTRKRFTからのフィードバックがより濃く。
つまり、彼らにしては実験的な作風です。
なのに、非常にラフな空気を漂わせているっていう相反する要素を兼ね揃えています。
とは言っても、聴きにくさとは無縁のポップさは息づいているので、ご安心を。
このポップさがどこから来るかと言えば、ドラム&VoのSebastian Graingerのやけにうまくなった歌だと思います。
彼のドラムにも歌心があって、ともすれば自由に実験しすぎになりそうなベースのJesse F Keelerを引き締める役割にあるというのが以前よりも濃くなりました。
渇いたノイズの中をスーパーマリオの洞窟ステージのBGMのような主旋律が面白いM-5“Never Swim Alone”といった曲がある反面、全体的にはM-4“Outrage! Is Now”や痙攣するようなM-6“Moonlight”のようにぶっといベースが這い回るノイジーかつダークな雰囲気で統一されています。
前作までの振り切って躁的なテンションが好きな方には受け入れにくいかも知れませんが、こういう鬱的なポップさもしっかり鳴らせるんだなという喜びがありますね。
より自由な感性を発露させた中毒性のある好盤だと思いますし、何より私はこの手の音が大好物です。
私はフィジカルで買いましたが、何故かAmazonのDLだとアルバム全体10円で投げ売りされているので、聴いてみてはいかがでしょう。


1. Nomad
2. Freeze Me
3. Caught Up
4. Outrage! Is Now
5. Never Swim Alone
6. Moonlight ★
7. Statues
8. All I C Is U & Me
9. NVR 4EVR
10. Holy Books
(2017,Last Gang)
Time/36:30
デジパック、ブックレットなし